HSC (Higly Sensitive Child)
感覚的にも、人の気持ちにも、とても敏感な子どもの事を、アーロン博士はHigly Sensitive Child 『HSC』と名付けました。
おとなしい子、気難しい子、自己主張の強い子、穏やかな子などのタイプ分けのひとつが『ひといちばい敏感』というものです。
HSCは、生まれつき感覚が敏感で、環境変化や周りの人の気持ちや状況の変化によく気づき、深く考えてから行動します。
感情など内面的なこともそうですが環境など外側のことにも敏感です。
悲しみや喜びを、他の子よりも強く感じています(育つごとに、周りの空気も読むので、感情表現を抑え込み側からは何を考えているのかわからない子どもかもしれません)
生まれたばかりの赤ちゃんにも、性格があります。「この子は赤ん坊の頃から、聞かん坊でした」という親もいれば、「ここ子は大抵機嫌が良く、何があっても動じません」という親もいます。どの子にも、生まれ持った性格というものがあると思います。しかし、その中でも、ある程度共通する性格をまとめて、「意志が強い子」「気立てが優しい子」などのようにタイプ分けすることができます。 そしてそういった、性格(タイプ)の一つが「人一倍敏感である」ということです。 これは、子どもの15〜20パーセントに見られます。男児と女児で割合は同じです。幼児の中には、食べ物や部屋の温度を全くといって気にしない子もいますが、人一倍敏感な子は、ちょっとした味の違いや、室温の変化でぐずりだし、大きな音や、まぶしい光にびっくりして泣き出します。もう少し大きくなると、心の面でも傷つきやすく、あれこれと心配し、逆に幸せ過ぎても調子を崩すこともあります。 よく見て考えてから行動するので、臆病だとか、怖がりだと思われたりします。細かなことに気がつき、不公平なこと、残酷なこと、無責任なことには腹を立てます。エレイン・N・アーロン著 明橋大二先生訳 1万年堂出版 『The Higly Sensitive Child』ひといちばい敏感な子
私が今まで活動の中で逢ってきた方々も子どもの頃(HSC)のお話を伺うと、物心つく頃には周りとの違いを感じ取り、変わった子だと評価されてきた方がとても多いのです。
そして、その頃にこのHSCという概念を知る大人が周りにいたり、自分自身も知ることができたらどんなに良かっただろうといいます。
新生児の頃から親の気持ちを感じやすいHSC。
親を気遣う余りに、甘え下手で可愛げがない…無邪気さとは程遠く、しっかりしているからと放置されがちだったり。
大人が思うよりも多くのことを考え、心無い言葉に傷ついているのです。
子育てに携わる多くの人に、このHSCという概念を知っていただけたらと思います。
根本那智子