弊社CocoloラーニングアカデミーのHSPカウンセラーとしても登録いただき、幅広く活動されている岸田純子さんに、活動のきっかけ、活動後のことについてお話ききました。
私がカウンセラー活動を始めたきっかけ
どうしてカウンセリング活動をはじめたのか、と問われると正直明確な答えが見つかりません。
困っている人の力になりたい、自分が持っている知識やスキルを誰かのために活かしたい、それも答えの一部ではあります。しかしもっと大きく捉えてみると、実際には、何か意図せずして導かれ、今ここに至っているように感じています。
思い返せば、幼い頃から「人のこころ」「人の考え」に大変興味のある子どもでした。
当時はまだHSPの概念など世に知られていなく、「明朗活発だけど繊細で気にしすぎるところのある子ども」というコメントをされることが多かったことを覚えています。
その後も、言葉や振る舞いからその人のこころを分析したり、人が生きる意味などの哲学的なことに思いを巡らしたり、HSPの特性の中でも「物事を深く処理する」ことに多くの時間を費やすような学生時代を過ごしました。
私は、自分の気持ちを言い表せない、いつでもその場の雰囲気や相手の気持ちを優先してしまう、ミスを指摘されると自分丸ごと否定されたように感じてしまう、そのような自分と共生してまいりましたが、心理を学ぶ道に入り、私には、母親に十分に甘えられない乳幼児期を過ごした愛着の問題があることを知りました。
そのため、最初に取り組んだのは、乳幼児期の親との関わりの重要性についての分野であり、子育てカウンセリングが私のカウンセリング活動の出発点です。
しかし私は、根強く残る私自身の生きづらさに気付いておりました。そして、もう少し何とかできないだろうか、と考え始めたころに運命的に出会ったのが、エレイン・アーロンの著書「ささいなことにもすぐに動揺してしまうあなたへ。」です。
心理学の知識を得るだけでは腑に落ちなかったなにかがそこにあり、涙をこらえることができませんでした。夢中になってページをめくり一気に読み終えたあの日のことを今でも覚えています。
それから、セミナーへの参加や書籍等からの情報収集によりHSPの理解を深め、流れるようにたどり着いたのがCocoloラーニングアカデミーのHSPカウンセラー認定講座でした。
もともとは自分のための受講でしたが、私の生きる意味「成長し続けること」「人の役に立つこと」、HSPカウンセラーはこれらを実現できる仕事なのではないかと感じたことを覚えています。
HSPカウンセリングの活動を始めてみて感じること
カウンセリングでは、発せられる言葉のほかにも、視線や表情の変化、息づかい、仕草などの微細な行動、声のトーンなどに気を配りながらクライエントの理解を深め、寄り添ってゆきます。これらの技術はトレーニングにより高めていくことが可能ですが、HSP気質をもつ私には生まれながらに備わっていた能力であり、強みでもあると感じています。
もちろん、鍛錬を積んでいく必要はありますが、これはまさにHSPの特性を活かすことができていると言っても過言ではないでしょう。
また、先ほどの私の生きる意味「成長し続けること」と「人の役に立つこと」。カウンセリングを通して、私はこれらを実感しています。
クライエントとのやり取りにより私自身の弱さや未熟さを改めて知り、ともに成長していく過程。クライエントが語る人生の物語に適切に介入し、クライエントが自分と向き合い、自分の可能性を信じて社会に復帰するのを見送る過程。これらは、私にとって大変に貴重で有難い営みです。カウンセリングをさせていただいている、そのような心持ちになることも度々です。
ごく自然に常に自分について深く思いを巡らしながら、ついには流れるように、導かれるようにしてカウンセラー活動をはじめた私です。
もしかしたら、これが天職とか使命などと言われるものなのではないか、そのように感じています。